森のアーチに夢を見る


いやあ、もう何と言いますかね、素晴らしい。素人目にも明らかなスイングスピードの早さとバットコントロールの良さ。インコース低めの、さほど甘いとはいえないような変化球を、まるでベテランスラッガーのように軽々とライトスタンドに放り込むその技術とパワーは、新人ながらに「プロの技」です。まさかここまでやってくれるとは……。


もちろん、良い選手だとは知ってましたし、ドラフトで一本釣りで来た時には小躍りしましたが、それでもその時は「上手くいけば1年目からニ軍で3割打てるかな」程度の予想であり、将来的にも「3割15本〜20本」クラスの期待値でした。しかし今や、ニ軍で3割どころか一軍で3割4分7厘。49打数で5本塁打です。アベレージよりの中距離ヒッターだと思っていたので、特にこの長打力には驚愕。


小さな大打者」として知られる若松さんのようなタイプになるかと思っていましたが、案外、稀代のスラッガーである門田さんのようになるのかも? もっとも、森本人は「ホームランを狙うと打撃が崩れる」ということで、あくまでヒット狙いが基本とのこと。まあ、そのほうが良いかなとも思いますね。


チームが下位低迷する中、森の活躍は数少ない明るい材料であり、来期以降への希望になっています。あと心配すべきは故障と慢心のみ。ま、後者については大阪桐蔭の先輩方が注意してくれると思いますので、実質注意すべきは故障だけです。あの体格でフルスイング、そして負担の大きい捕手。膝や腰のケアには十分気をつけて欲しいと、今から先走り的に願ってしまうところでありますよ。