バディ・コンプレックス 第13話「アクセプション」

まさかの急展開。驚きと納得が交差する1期最終回となりました。


青葉とヒナの因縁であるタイムトラベルは、てっきり今作の(2期の)最後で再現され、そこで物語は一周するものかと予想していました。しかし、それはどうやら凡庸すぎる見込みだったようです。ヒナの過去への旅は救いではなくむしろ呪いのようなものであり、むしろ今回をもって断ち切るべき循環であったと。何度も何度も繰り返した結果として、たまたまディオに青葉の記憶が通じた世界線、ということなんでしょう。これまであったことが、まるで今起こったかのように描いた演出にやられました。


そしてもう一つ。ヴァリアンサーを失い身一つで過去へと行くことになってしまったかわいそうなビゾン君。しかし彼こそが、現在のゾギリアのトップだったのだ、と。これも驚きでしたね。と同時に、「70年後」という微妙な時間差はこのためだったのかという、序盤からの疑問が解消された思いです。ビゾン90歳かあ。彼がこれまで何をやってきたのか分かりませんが、未来を知っていればこそ、権力を握ることが可能だったのかもですねえ。その権力でヒナを手元に引っ張ってくるとかいうのはどうかという気もしましたが、それをやっちゃうとタイムパラドックスが色々生じちゃうのか。いや、現時点でも生じまくってる気もしますが……。


あとは予想通りの第2期へ続く、ということになりました。……今作に限らずいつも思うことなのですが、なんでアニメは話数が公表されてないことが多いのでしょうか? 始まる前はおろか、終盤になっても「1クールなのか、2クールなのか」とやきもきしつつ議論するのはいかんせん無駄というか、無意味な手間という気がします。


ま、それはともかく、予想以上に楽しめた作品でした。王道を押さえつつも、ところどころ予定調和を外してみせる技が光りましたね。青葉は普通の高校生にしては戦場になじみすぎだろうとか、戦争の全体像がいまいち見えないとか、細かな不満もありましたが、大胆なタイムトラベル展開も合わせて、見応えがありました。2期への期待としては、まゆかに恋愛方面で頑張って欲しいかなと。普通に考えれば青葉とヒナで鉄板なのですが、そこは微妙にお約束をずらしてくる本作に期待してみたくもなります。