ゼロ・グラビティ

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評判が良さそうだったので観てきたのです。一応ネタバレ無しで。


事前情報はほぼゼロ。「宇宙で事故に巻き込まれたサスペンス」と聞いていたので、「アポロ13」みたいな、みんなで知恵と力を合わせて地球に帰るぞという話なのかなと思ってましたが、ちょっと違いました。いや、大筋では似たようなものかもしれませんが、登場人物が少ない少ない。主役のライアン・ストーンとマット・コワルスキーしか画面に出てこないではないですか。これほど作中人物が少ないハリウッド大作も珍しいのではないでしょうか。おかげでキャラを覚えるのには苦労しませんでしたが。


ストーリーの方もそれほど複雑ではありません。「知恵」もあるにはありますが、思った以上にアクション主体の構成でした。いや、それが悪いというのではないのですよ。単純な方が明快というものです。


本作の売りはなんといってもその映像美なのでしょう。とにかく深遠なる大宇宙、眼下に広がる青い地球、そして全編これ無重力の世界。これは見るだけで感嘆できます。素晴らしい。IMAX特別料金を払っただけのことはありましたね。以前、アバターを見た時に3D酔いをしたので敬遠気味だったのですが、その時の経験を活かして席を後方にしたのが功を奏したのか、今回は存分に楽しむことが出来ました。アバターより3Dの使い方がちょっと控えめだったのも良かったのかもしれません。



以下ちょっとネタバレ。



ソユーズにマットが乗り込んできた時には驚きました。「生きてたのか。良かったけどちょっと物語的には台無しじゃないか?」と思ったものですが、その後、彼はライアンが酸素欠乏の中で生み出した幻であることが明かされます。これはちょっと意外性があり、印象的な場面でした。もうちょっと深めて言えば、人は限界状況の中で、無意識的に深層心理の知恵を探り、それを尊敬している人や頼りにできる人のイメージからのメッセージとして受け取るという、心理描写なのかなと。