「新世紀エヴァンゲリオン 12・13」
新世紀エヴァンゲリオン 12 (角川コミックス・エース 12-12)
- 作者: 貞本義行
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2010/03/31
- メディア: コミック
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新世紀エヴァンゲリオン (13) 【プレミアム限定版】 (カドカワコミックス・エース)
- 作者: 貞本義行,カラー,GAINAX
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/11/02
- メディア: コミック
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久々にエヴァの漫画版を読みました。ついにと言うべきかようやくと言うべきか(どちらかいうと後者でしょうが)、展開はクライマックスへ。いわゆる旧劇場版の部分で、ネルフ本部、そしてジオフロントでの血みどろの戦いが繰り広げられます。新劇場版のあとで見ると懐かしいようでもあり、やっぱりこちらがエヴァの本道かなあという思いもあり。
ただ、アニメ版をベースにしながらもところどころ、それも重要なポイントでオリジナル展開を加えているところが今作の心にくいとところです。アニメ版ではついに果たされずに終わった、シンジとゲンドウの最後の会話の部分といい、ミサトがシンジに最後の命令を託し、それをシンジが精一杯受け止めようとしている部分といい。同じ悲劇的な展開ではあるのですが、当時の劇場版視聴者が「こうあって欲しかった」と思ったところをしっかりと補完してくれてますね。
その一番の見せどころが、シンジの初号機のよる出動が、アスカが生きているうちに間にあったという場面でしょう。これはもう、アニメ版での凄惨なアスカの最期を見てきた視聴者には感涙モノと言っても良い変更です。単に都合の良い改変ではなく、この場面に至るまでの微妙な積み重ねを経てきているからこそ納得できる。無論、まだラストを見ていないゆえ即断はできませんが、これが庵野さんではなく貞本さんの描きたかったものだというのならば、旧版でもなく新版でもない、漫画版ならではの希望を持てるラストが待っているかもしれないと、そう予感するところなのでした。
それにしても、TVアニメの放映されていた頃から連載されているわけですから超長期連載ですよねえ。なんでも雑誌での連載自体は最終回を迎えており、単行本の最終巻は来年春に出るとか。感慨深い話です(というか、もっと早く出してください……)。