進撃の巨人 第22話「敗者達―第57回壁外調査 (6)―」

女型の巨人に攻撃をかけるリヴァイとミカサ。……もっとも、実際のところその攻撃のほぼ全てはリヴァイによるものでした。同期の中ではずば抜けた実力を持ち、自他ともに認める強力な兵であったはずのミカサが、リヴァイの前では足を引っ張る子供にしか見えない。ミカサが弱くなったわけではないのに、兵長恐るべしです。しかし、そんな彼らをもってしても、女型の巨人を仕留めることは出来ず、エレンを救出するだけで精一杯なのでした。


そして、以後の情景はまさにサブタイトル通りの「敗者達」。「重い」という表現すら軽すぎる悲惨な撤退でした。生き延びるために遺体も捨てる非情の道。町の人達の冷たい視線だけならまだしも、死んだ兵士たちの家族から向けられる悲痛な表情はどんなに彼らを鞭打ったことでしょうか。ペトラの父親に話しかけられたリヴァイ。さすがの彼もその場で彼女の死を告げることができず、黙するのみでした。いや、多分父親の方もうすうす気づいていて、それを認めたくなくてあんな話し方になったんでしょうけどねえ……。


自分たちを見つめる少年たちの輝く瞳に、自分たちの幼いころを重ねあわせたエレンとミカサでしたが、そこに去来したものはなにか。かつての自分たちの憧れが幻想であり、大人の冷たい感想のほうが正しかったと感じたのか、それとも少年の期待に応えられない未熟さへの悔いか。とにかく、涙するエレンの気持ちが強く伝わってきます。やっぱりこの作品、原作もアニメもすごいですね。