「米サーベラス:西武TOB 上場株価上げ、狙いか 路線廃止も要求」(毎日新聞)

きな臭くなってまいりました。サーベラスとはかの「地獄の門番」ケルベロスから来ている名前だそうで、いよいよ本性をあらわにしたか、と思わずにはいられないところなのです。こういう書き方は偏っているように思われるかもしれませんが、西武秩父線西武山口線の廃止などという暴論を持ち出すのであれば、こちらとしても反発せざるをえません。クロウカードの守護者ケロちゃんなら可愛いんですけどねえ。


サーベラスは「企業価値の向上」といいますが、鉄道会社にとっての価値とは、どれだけ沿線の人々の便利な足になるかではないでしょうか? 自分のお金にさえなれば良いという態度が見え見えで、公共的観点はさっぱり感じられません。こういう話を見聞きするに、サンデル教授の「それをお金で買いますか」を思い出しちゃいますね。お金は大変便利なものですが、それだけでは世の中のすべてをうまく回すことはできないのだと、あらためて感じさせられます。ただまあ、こんなファンドに取り込まれる状況になったのも、西武の自業自得的なところはあるのですが。


なお、僕がとりわけ気がかりな点が、

西武ライオンズの売却も含めた採算性向上の検討」


という一節にあることは言うまでもないでしょう。これは下手をすると8年前の球界再編騒動再びということになりかねません。今のライオンズは「西武グループの象徴」という位置づけになっていますが、サーベラスはそういった心情的な部分は考慮してくれないのでしょうね。


いずれにせよ、成り行きを心配しながら見守るしかなさそうですが、ほどほどのところで収まってくれることを願うばかりです。