Fate/Zero 第25話「Fate/Zero」

破壊された聖杯の暴走により、焼き払われる冬木市。それは勝者となった綺礼の願望なのか。ギルガメッシュもちゃっかり受肉を果たし、その意味では今回の聖杯は一応願望を叶えたという事になるのかもしれません。それこそ「度し難い」話ですけどね。


良かれと思った決断がまたしても多くの犠牲を生み出し、絶望の中にあった切嗣が、ただ一人救い出した少年・士郎。救われたのは士郎ではなく切嗣の方であったということが、ほんとうによく分かります。


あとは各キャラの後日談。一応生きていた雁夜は幸せな未来を夢想するも、そこで虫の中へ。


「馬鹿な人。お祖父様に逆らうから」


理想と現実のギャップが悲しすぎます。しかし、この桜の冷たい表情がまたなんとも。ここはもう、ぜひともヘブンズフィール編での桜のはっちゃけぶりもアニメ化するしか。


凛は時臣の葬式を経て遠坂家の当主となります。父を殺したものとは知らぬアゾット剣を形見と受け取る。表情を変えずに非道すぎる綺礼でした。それにしても、8歳とは思えぬほどしっかりした子で。


ウェイバーはそのまましばらくマッケンジー家に滞在。大学に戻らなくて良いのかな? というか、ウェイバーの家庭環境って謎ですね。大学といえば、ケイネス先生の件はどのように処理されるのでしょう。魔術の学校だと、戦っての死亡なんてもよくある話なのかも知れませんが。


元の世界に戻るセイバー。ここで、前回触れられなかったバーサーカーランスロットとの会話が。「あなたこそが最高の王であった。あなたのもとに仕えた誰もが、そう、思っていました。」


なんだ、ちゃんと認められてるじゃないですか、アーサー王。まあ、そうでもなければそもそも英霊になんてならないですしね。でも、その言葉も耳に入らなかったセイバー。悲しいなあ。


そして最後に切嗣。一応アインツベルンのところに戻ろうとはしたんですね。でもイリヤにはあわせてもらえず。結局そのまま日本に住み着くことに。後ろに藤ねぇらしい剣道少女がくるくる出演を果たしているのがニクい。


「まかせろって。じいさんの夢は」
「そうか。……ああ、安心した」


思い起こせば、悲しい人生でしたね、切嗣は。同情できないほど多くの人を殺してしまっているといっても、それでも。ただ、最後に「息子」に夢を託せていけたのですから、そこだけは救いだったでしょう。



さて、これで本作も終了。事前の期待に違わぬ密度の濃い2クール(分割でしたが)を堪能させてもらいました。ufotableさんすごかったよ。


ただ、作品の性質上、どうしても最後のカタルシスが弱くなっちゃうのは致し方無いですかねえ。このままの勢いでstay nightもやってもらいたいと思うのは僕だけではないでしょう。え、ディーンのを見返せば良い? う〜ん……。


ともあれ、お疲れ様でした。