Fate/Zero 第23話「最果ての海」

覇王の光芒――。


ライダーとアーチャー、最後の戦い。傲岸不遜の英雄王も好敵手として認めた征服王。ウェイバーのように、「お前ら、本当は仲良いんじゃないのか」と言いたくなるくらいですが、同じ王として通じ合うものがあったんでしょうねえ。切嗣あたりに言わせれば、くだらない美学ということになりそうではありますが。


しょっぱなから出し惜しみ無しのアイオニオン・ヘタイロイ。これに対してアーチャーも秘宝・エアを用いたエヌマ・エリシュで迎え撃ち、ライダーの軍勢ごと、固有結界ごと崩しさる。時間にすればほんの数分の勝負だったことでしょうが、英雄王の英雄王たる力を見せつけるには十分な描写でした。


現実世界に戻り、一瞬の静寂。そして、ここから先はライダー・ウェイバーコンビの勇壮にして熱い、一世一代の見せ場でありました。


ウェイバー・ベルベットよ、臣として世に仕える気はあるか?」
「あなたこそ……あなたこそ僕の王だ」


ライダーのとっての臣とは、手駒として扱う部下ではなく、ともに夢をみる朋友のこと。それが分かっているからこそ、ウェイバーも彼を王と認めたのですね。力に膝を屈するのではなく、一緒にいたいと自らが望んだからこそ。


ライダー最後の突撃。ここでのアーチャーとのやりとりもまた、一言一言がかっこよく、しびれます。


「こたびの遠征もまた、存分に心躍ったのう……」


さらば、ライダー。あなたこそ、今作の清涼剤でした。


一人残ったウェイバーは、単身アーチャーと対峙。


「それはできない。僕は生きろと命じられた」
「……忠道大儀である! ゆめ、そのあり方を損なうな」


アーチャーも渋い。単なる悪役に終わらない生き様。そこが魅力的です。


なお、セイバー陣営のことは……まあ、今回はいいか。