坂道のアポロン 第9話「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー」

りっちゃんの決意、そして淳一と百合香の関係の決着。


前回を見ていると、千太郎と薫と律子が下手な三角関係になったりしないかとドロドロムードに不安だったのですが、シリアスでありながらも暗くなり過ぎないのは本作の良いところですね。登場人物がみな、落ち込むことはあっても前向きな意志がありますし、物語の神様もそれを好ましく思ってか、非情すぎる意地悪はしません。


律子は、千太郎の言葉を聞いて、あらためて自分の気持に気づき、一度は捨ててしまった編み物をゴミ箱から引っ張りだします。一方淳一は、百合香の想いを支えに、東京で出版社を立ち上げることを決めると。政治活動の関係の友人だとすると、左派系の出版社ですかね? それはまあ、生活に苦労しそうなことで。


千太郎との熱い勝負。やっぱり二人とも良い男ですね。さっぱりとしつつ、感動的なお別れです。淳一さらに駅でも百合香とのお別れ。それぞれ別の道を行く二人……で終わっても充分良かったのに、最後の最後で列車に連れ込んでしまいました。いやあ、ロマンチックな終わり方で。今後大変そうな気もしますが、まずはめでたしめでたしと言いたいです。


ラスト、ピアノの中に手袋をおいていたりっちゃん。置き場所が上手いです。さて、残り2話で彼ら彼女らの恋愛と音楽はどのような結末を迎えるのか。どちらにしても、素晴らしい演奏シーンを期待です。