氷菓 第7話「正体見たり」

前回からは短編シリーズって感じですかね。一同そろって温泉にやってきた古典部のメンバー。もはやどのへんが古典なのやらさっぱり分かりませんが、それは最初からだったのでもう良いことにしましょう。


主人公なのに動きたがらない奉太郎を、いつものように無理矢理気味に誘ったえるに、ツテで無料の民宿を手配した摩耶花。GJです。でも奉太郎は車酔いに湯あたりとさんざん。省エネ主義だから駄目なのか。それとも、元来が非力だから省エネ主義なのか。そんなことを思ってしまうのでした。


今回の事件は「首吊りの影」のお話。もっとも、さすがに皆本当に超常現象だとは思っていないので(まあ、摩耶花は結構怖がってましたが)、冷静に分析は進みます。今作のこうした落ち着きは好きですね。


姉か弟に憧れて、いつも以上に目をキラキラさせているえる。彼女もなかなか不思議な人です。単に純真で可愛いヒロインというだけにとどまらない、人間的な存在感があるような気がしますよ。


首吊りの影が浴衣に過ぎなかったように、えるの憧れも枯れ尾花だったのか、と思わせつつ、「ま、枯れ尾花ばかりでもないかもな」で締める。この辺は、原作が小説ならではの味わいと言えましょう。