坂道のアポロン 第3話「いつか王子様が」

良い意味で「まだ３話か」と思える充実度。細やかな描写でドラマが紡がれていきますね。

前回海であった美女・百合香に一目惚れの千太郎。てっきりもっと年上のお嬢様かと思いきや、千太郎たちの一年先輩で、同じ高校生でした。薫も調べが早いことで。ここで、彼女を誘おうと四苦八苦する千太郎の純情ぶりが楽しいですね。そしてまた、家庭における良き兄としての彼の姿も描かれました。結局「不良」なんてのは周りが勝手に貼ったレッテルであることがどんどん分かっていきます（ま、喧嘩っ早いのは事実ですが）。

結局、薫のメモを見ながら誘うことには成功。百合香が応じたのも意外ではありましたが、あそこまで正面から来られると、女子としては好感なのでしょう。しかし、最後の最後で誘ったのが薫であるという話に。おいおい、誤解は解いておきませんと。もっとも、百合香の方はそれが嘘であることに気づいていたのか、デートの時は千太郎と一緒にいることが多かったですね。さて、二人の仲は深まるか……。

しかし、そんな千太郎を見てやきもきするのは律子でした。ただの幼馴染かと思っていたのに、意外や彼への思いは本物だったようです。これは薫も辛いですなあ。

終盤はちょっと急展開。

「これが本番なんだ。僕が好きなのは、君だよ」

おお、一気に思い切りましたね。薫、やります。まだまだ先は長い物語。彼ら彼女らの心がどう動いていくのか。それをジャズの演奏がどう彩っていくのか、派手さは薄いものの、楽しみな作品です。