「ゴースト ニューヨークの幻」

以前金曜ロードショーで放映していたものを、雪の祝日で時間があったので視聴。BDレンタルがまだ充実していない今、地デジの高画質で人気映画を見せてくれる金曜ロードショーの存在感は、(僕の中では)ちょっと上がっています(まあ、ガンガンカットされちゃいますけどね……)。


さて今作、殺されてしまった主人公・サムが幽霊となって恋人・モリーの前に現れる、というあらすじを聞いて、「切ない純愛モノか」と思っていたのですが、見てみるとちょっとイメージと違いました。いやまあ、純愛は純愛なのですが、主人公の姿は恋人にも見えず、聞こえず。インチキだったはずの霊媒師にだけ声が聞こえるという設定。これがずいぶんとユーモラスな展開を生み出しています。一方で、犯人に追い追われるサスペンスの緊迫感もありました。


ラストはきっちり感動的なのですが、涙というよりはむしろ笑った印象のほうが強い作品でした。霊媒師のオダ=メイと、彼女をせっつくサムのやりとりはほとんどコント。良い味を出してました。


1990年当時のニューヨークの雰囲気を伝えるという意味でも興味深い一作でしたね。銀行のオフィスでも電話は固定、コンピュータのディスプレイはCRT、表示は一色。当然といえば当然なのですが、90年代もずいぶんと過去になってしまったものだ、と思います。