「がん治療の常識・非常識」
がん治療の常識・非常識―患者にとっての最良の選択とは? (ブルーバックス)
- 作者: 田中秀一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/04/22
- メディア: 新書
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幸い今のところガンの心配は無いですが、知識として読んでおこうと手に取りました。これがなかなかに刺激的な本。一昔前に、「患者よ、がんと闘うな」が大きな話題になりましたが、全般的にはその流れを汲む一冊と言えましょうか。
近年、治療が進歩したと言われ続けているガンですが、著者はまず、それが必ずしも正確な話ではないことを示します。早期発見はたしかに増えているけれども、そのために分母が増えて、成績が良く見えるようになっただけであると。つまり、一定程度進んだガンに対しては、今も昔も大して差は無いということです。
著者が取材した結論は、抗ガン剤の過信は避け、手術も必要最小限に、放射線は上手く使うこと。まあ、どれをとっても難事であることには変わりなく、やはりガンは人にとって大敵であるのだなあ、と思わせてくれますが。
もし僕がガンになったら、せめてモルヒネは適切に使って、痛みをとってもらいたいものです。