「コードギアス 反逆のルルーシュR2 TURN―1―」
コードギアス 反逆のルルーシュR2 TURN―1― (角川スニーカー文庫)
- 作者: 岩佐まもる,木村貴宏,toi8
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/06/01
- メディア: 文庫
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これはギアスファン、なかんずくナナリーファンには必読の一冊ですね。ファーストシーズンからあるコードギアスのノベライズですが、これまではパラパラ立ち読みした程度で未読。良くある、原作人気に乗ったダイジェスト的な存在かと軽視しておりました。でもこちらでの紹介がすごく面白そうであり、実際読んでみたところ大満足。すみません。僕の先入観が間違っておりました。
コードギアスといえばとにかくアニメ本編の展開の速さが印象的ですが、密度が濃いとはいえ、あれだけの速さだとどうしても取りこぼしているところも多いです。そこをしっかりと補完してくれるのが本書。視聴者が何より知りたかったであろう、ナナリーの1年の様子が書かれます。突然の皇族としての復帰、兄との別れに戸惑いつつも、自分のやりたいことに歩みだそうとするナナリー15歳。第一期では結局ルルーシュに保護され、可愛がられる立場から抜け出せませんでしたが、一人の人間として成長していく姿がとても魅力的です。それが最終的にルルーシュ=ゼロの物語にどう関わっていくのか楽しみ。
アニメではほとんど描かれない、ナナリーとアーニャの仲の良さにはほっとしました。アーニャもラウンズなのでいつも一緒とはいかなかったでしょうが、ブリタニアでも同性の友人が出来たのですね。アーニャのおかげでナナリーもずいぶん救われたのではないでしょうか。
それともう一人、魅力的なのはシュナイゼル殿下。いやこの人、僕も最初は「清廉そうだけど裏で悪巧み」してそうなキャラかと思っていたのですよ。でも、アニメでも本書でも、今のところ全く言動に破綻が見られない。身内や側近からも人望がある。演技をしているという様子には見えません。となると、「腹黒いように見せかけて実は本当に優秀」という意表を突いたパターンですか。
考えてみるとこの作品、主人公のルルーシュが反体制派で、どちらかいうと悪に近いですから、そのライバルとしてのシュナイゼルは正当王道であるべきなのかもしれません。なんだかこちらも応援したくなってきちゃいしたよ。
次巻以降も出たら即購入決定なのです。