「人類は衰退しました 2」

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)

短編が2本。「スプーン」の方はなかなかに良かったです。とにかく一人称がアルジャーノン妖精風味。知能と認識が哲学的思考にまで踏み込み主人公の混濁に田中ロミオ氏の筆力が存分に発揮されて呼んでいるこちらも次第にフラフラになっていきましたですよ。


一方、2作目の「ジョシュサンとバナナ」についてはいまいちぴんと来ませんでした。複雑な話なので分かってないだけかもしれませんが、主人公が受動的に認識混乱状態に追い込まれるという作り自体が「スプーン」とかぶっている気も。その辺もあって、全体では前巻よりは落ちるという印象でしたかね。


……にしても、主人公の名前が明かされる日は今後も無さそうですなあ。